入り口に大きな変化!ヤギカフェ・スロープ・エピソード!
ヤギカフェ・ママです。
以前、ブログの「お知らせ」カテゴリーの中で、昨年3月22日にお店の出入り口にスロープを新設しバリアフリー化を進めたことをお伝えしました。
本日は「もっとヤギカフェを知る!」のカテゴリーのお話として、そのスロープ導入に至る経緯を紹介したいと思います!
キッカケは、群馬バリアフリー観光情報局「ココフリ群馬」という市民団体の代表である木暮奈央さんのご来店でした。
「ココフリ」とは“心のバリアフリー”の略称で県内観光地や商店街を中心にバリアフリー状況を調査し、車椅子使用者が利用できる駐車場やトイレの有無などを案内したり、身体に不自由を抱える方が実際に訪れた場所の感想などを発信できる場作りをする活動をしています。
木暮さん自身も「筋ジストロフィー」という難病をお持ちで電動車椅子で生活をしており、2020年10月に仲間と共に「ココフリ群馬」を立ち上げ、会社員をしながら団体代表を務めています。
そんなココフリの木暮さんがヤギカフェに頻度良くご来店してくださったのは、去年の夏頃。木暮さんが前橋中心市街地周辺の調査をしている時期で、ヤギカフェも「ココフリ群馬」の活動や車椅子生活について詳しく聞ける機会がありました。
ヤギカフェのある店舗は入口に数センチの段差が存在します。開業以来、頭の片隅には、車椅子利用者を想定したスロープなどが「あったら良いかも」という思いが常にありました。しかし車椅子のお客様はごく稀で、実際に車椅子利用者さんが来た場合も、同伴者の介助や私やヤギカフェ・マスターが行うちょっとの補助で難無く運び入れ・運び出しができていたので、スロープなしの店舗状況をそれほど問題視はしていませんでした。
しかし、木暮さんの体験談などを聞いてスロープ設置の重要性に気づかされました。多くの車椅子利用者が立ち寄りたいお店などを見つけるとその場所・周辺がアクセスし易いかどうかを細かく調べるそうです。飲食店でスロープなどの有無がわからない場合は、インタネット上で掲載されている外観写真などを拡大して障壁となりえる建物の構造などを確かめるそうです。もし行く先で不便がありそうだと感じたり、店員や居合わせた別のお客さんに気を使わせてしまう想像が働いてしまうと、その場所に行くのを諦めてしまうこともあるそうです。
ちょっとしたお店の構えで車椅子を利用する方の見る景色や気持ちが明るい感じに変わるというのであれば、(スロープ設置を)やらない手はありませんッ!
ヤギカフェのオリジナル・スロープを形にしてくれたのは、界隈で「こせんちゃん」という通称で名の通るお店のお馴染みさんでした。「こせんちゃん」の本業は表具師なのですが、性格の面白さから地元放送局のラジオパーソナリティーを務めていたり、手先の器用さから紙だけではなく木工仕事も個人的に依頼されるユニークな職人さんなんです。
地元ラジオ局「まえばしCITYエフエム(通称:M.wave)」のHP画面
ヤギカフェとしては、既製品スロープを手に入れるのではなく、お店にピッタリで個性的なものを取り付けたいと思っていました。最初は、お店の内装を全て自分たちでおこなった手前、スロープも自作しようと考えていました。しかし、スロープ設置にあたり規格や角度、強度や使い勝手などクリアしなければならない条件が沢山ありました。そこでとある日「こせんちゃん」の来店時に木工の教えを乞うたりしていましたら、彼が話の流れで展開したスロープのアイディアがとても良かったので「じゃ、それ作ってよ!」と、お願いすることになったのです。
そして、依頼してから1ヵ月も立たない内に作っていただいたのが、こちらのスロープ。
なんと!お店の営業中に2、3回...「ちょいと邪魔するよ〜」と...各5〜10分ほど入り口回りの寸法を測りに来ただけ仕上げてしまいました!
2回目に来た時にはこんな木材を持ってきて置いて頷いてパッと帰っていきました。
幅や角度は一般的な車椅子スロープを研究して作られており、脱着も格子戸のレールを利用し簡単にできるようになっていました。
営業時間を終えるとお店の中に仕舞えます。
しっかりサインと製作日時が裏に記されています。
木版の張り合わせで出来ているスロープですが乗り降り時に受ける車輪への振動も極力抑えられるよう工夫されています。
ヤギカフェ開業15年の時を経て取り付けられたスロープ。設置の一報を木暮さんに入れると「ココフリ群馬」のサポーターさんと来店し、出来具合を検証してくれました(その時の様子を こちら の動画で紹介してくれています)。
使用感も問題なく高評をいただきました!
木暮さんたちはお食事もついでにして下さり、車椅子のお客さまにもより円滑に外食サービスが行えることも確認できました!
スロープに加え現在店内には車椅子利用者の足元が収まる規格のテーブルも用意し、他のお客様と変わらない形で飲食ができるようにもなっています。
車椅子の方が来店した際に使用するテーブル
通常用意している椅子とテーブル
さて、スロープ設置後の反響はと言いますと...お店を目的にしていたわけではなく、たまたま通りがかりで立ち寄ってくださる車椅子のお客様は増えました!そして、その方々から「予想外に飲食店の新規開拓を出来て良かった」という言葉を多くいただきます。車椅子のお客様が来店する傾向としては界隈で催事・お祭りがある時がほとんど、これはヤギカフェの位置する中心市街地が車椅子でアクセスし易く普段から利用したいと思える娯楽施設が少ないからだと想像しています。
ココフリ群馬の活動を紹介する新聞記事にヤギカフェの写真が使われていました!
意外なスロープ効果は、ベビーカーを引く親御さんがヒョイと店内入りしてくれることが増えたことでした。コロナ禍で店内スペースが広くなったこともありベビーカー有っても気兼ねなく入れる印象が強くなったようです。
面白かったのは、常連さんの反応。スロープがあまりにお店の雰囲気と馴染んでいたせいか気付いた人がほとんどいませんでした(笑)。お店側から教えると「え、前からなかったけ?」とう状態(汗)。段差を感じない分、以前にも増して皆さん素早く暖簾をくぐってくれます(笑)。また、お酒を飲まれてほろ酔い加減の足取りにスロープは適しており、段差に足を取られる心配もなく店主も安心(笑)。呑んべぇさん、大変スラスラとスロープを下って次の店・帰路に向かってスムーズに歩んでくれています(笑)。
ということで、今月で設置1周年を迎えるヤギカフェのスロープにはこんな経緯があったのでした!ちょっとの増設でお店に大きな変化をもたらしました!ココフリの木暮さんの活動に感謝!そして「こせんちゃん」のいい仕事っぷりにも感謝です!
- 2023.03.25 Saturday
- もっとヤギカフェを知る!
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- by ヤギカフェ日記執筆隊