ハァハァ(息切れ)...ハンニャです。
どうやら呑竜にまた新しいお店ができるようだわね。今年の7月にも焼鳥・燻製の飲み屋が出来たみたいだし、通りが明るくなっていいじゃない。2店舗とも末永くネオンを灯し続けて欲しいわね。
ただ今準備中。12月開店予定...!?
2012年7月にオープンの焼鳥・燻製の飲み屋さんこと「のんきや」
どんな所でもお店を開くって大変なことなのでしょうけど...呑竜の新規参入者がまず戸惑い苦労するのが、この場所特有の組織体系とそこから生じる問題なんじゃないかしら。まぁ、これは呑竜の歴史と成り立ちに深く関わっている事だし、近年の新規出店・閉店の多さの原因にもなっていると思うので、今日はそれをお話しましょうか。
特有の組織体系と言ったけど...今の呑竜仲店の正式名所は、「呑竜仲店協同組合」といって、実は、法人組織なのよ。
これは、以前にもお話した1982年(昭和57年)に起きた
呑竜の大火災に起因して生まれた組織なの。ほぼ全焼した焼け跡で途方にくれた当時の店主さんたち。何とか自分たちの職場を復活させたいとの気持ちは強くあったものの最大の困難はその再建資金。
当時(今でもそうかもしれないけれど...)、金融機関は料飲業者には厳しく個々にはなかなかお金を貸してくれなかったみたい。そこで、再建希望者20人(20店舗)で全国でも珍しかった料飲業者の協同組合をつくり、組合員1人あたり250万円を出資金(借金)として負担し共同建設費5千万円を捻出。そして、みごと呑竜再建を果たしたというわけ。
こうして、再建された1983年以降は1947年(昭和22年)に戦後復興のために建てられた個人商店の集合地から組合員の人たちで運営する新たな組織に生まれ変わったと言えるわね。発足時に出来たと思われる定款書を見ると...共同で施設を管理したり地代(土地は大蓮寺に借りている)を払ったりするのはもちろん、お互いに経営に関する知識・技術の向上に取り組んでいたり、まんいち組合員がお店に立てなくなった時の為に独自の福利厚生制度を作っていたり...小さい店舗でしかやっていく道しかないもの同士が協力して末永い商売が出来る環境を作っていこうという心意気が窺えるわね。
しかし、呑竜仲店協同組合発足から10年〜15年が経ち...飲食店に対する景気の陰りや人々の趣向の変化で、古く手狭な呑竜のお店には客足が遠のき、次第に店を閉めて脱退してしまう組合員が多くなったのよ。20人もいた組合員も一桁となるとさすがに運営も厳しくなり...施設の存続や運営費などを賄うため空き店舗に入る新参者からの賃貸収入に頼ることになったの。
ここから、特有の組織体系から生じる問題の話...
こうして初期の組合員の減少を理由に、呑竜再建時に出資金を出した店主さんたちは自分達を正組合員という家主的な位置づけとし、新たに飲食店を始めたい方を準組合員と呼び店子的な要員と見るようになったの。(*実際、協同組合として正組合員と準組合員の差が何なのかが新規参入者に正式に説明されることはないのよ。)
今年入った2店舗やヤギカフェはもちろん、近年入ったお店は全て準組合員というかたちで呑竜に入居したことになるわね。
2007年入居のヤギカフェ。最初は色々分からないことだらけでした...
時代の流れで、正組合員と準組合員という位置づけを作り出してしまったのは仕方ないとしても...そこから大きな問題が生じてきているの。空き店舗に流入する「若手」呑竜の店主(店舗数)は増えたものの、実際に運営・管理を行なうのは正組合員のいわゆる古株店主さんたち。
人数が少ない上に高齢化が進んでいるので、体力を使う施設のメンテナンス義務が疎かになり、新入居者とトラブルになったり。入店者に対し事前んに根気よく呑竜の歴史背景や協同組合に関する説明を怠り、結果的に店舗を荒らされたり壊したりして出て行ってしまう人達を増やしてしまい、そんな場所にまた人を入れトラブルとなったりと...とにかく事前の対処で起きるはずのない問題が多く目に付くようになったと感じるわ。近年、立地を気に入り意気込んで参入した方が、なかなかスムーズに営業できずストレスを感じ、1,2年で辞めていってしまうのが多くなっている一つの原因にもなっているはずよ。
高齢化に伴う不備が生じているなら、正組合員・準組合員にこだわらず、出来る人間に組合の運営を任せればよいと思うのだけれど...再建時に出資金を出した方々は「自分達がここを建てた!」という所有欲が強いのか...「再建の苦労を背負わなかった人が運営に関わるのは嫌だ!」という感情的なものなのか...なんだかよくわからないけど、新参者を運営に関われせる方向には話が進まないみたいなの。
ハァハァ(息切れ)
明るい新規店舗の話題から始めたけど...なんだか呑竜にとってマイナスなイメージを与える中身になってしまったわね(汗)。
とにもかくにも、今の呑竜の成り立ちがどうであれ...小さい店舗でも末永く商売を続ける環境を整える協同組合発足当初の心意気を忘れていないのであれば...縁あって仲店に集まってきたものどうし...老いも若きも...立場が違っても...協力してやっていかなきゃ揉め事が多くなりすぎて呑竜野良猫の私も心労しちゃうって話よ。猫は安心を求める動物...早く通りがもっと盛り上がって店主が野良猫構うよりお客さんを構うのが忙しくなってもらわなきゃだめよ。こっちは屋根上でヒッソリ落ち着いて寝てたいんだから。ハァハァ(息切れ)